尺度・マニュアル・テキスト

育児エンゲイジメント尺度(Parenting Engagement Scale: PES)

 調査票 育児エンゲイジメント尺度(Parenting Engagement Scale: PES)

  概要 育児中の活力・熱意・没頭からなる、育児に前向きで充実した心理状態を測定する尺度

尺度構成 3因子(活力 3項目、熱意 3項目、没頭 3項目)9項目


使用条件 研究目的:引用情報を記載の上、ご活用ください。

     商用・その他目的:筆頭著者にご連絡ください。

引用情報 Momoko Kobayashi, Hiroshi Ikeda (2026) Parenting engagement in the preschool parenting period: Development of a brief scale and evidence from a working-parent demands–resources model. Acta Psychologica, 271, 108057. https://doi.org/10.1016/j.actpsy.2026.108057


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開発の背景と目的

  • 日本では少子化が進むなか、仕事と育児の両立が大きな社会課題となっています。育児休業や柔軟な働き方などの制度は拡充されてきましたが、育児負担には男女差が残り、特に女性の就業継続やキャリア形成への影響が指摘されています。また、仕事と家庭の葛藤は、働く親の心身の健康やウェルビーイングに加え、子どもを持つ意向にも関わる可能性があります。
  • 一方、仕事と育児は必ずしも対立するものではありません。仕事で得た技能や自信、活力、肯定的な感情が育児に生かされるなど、一方の役割での経験が、もう一方の役割を豊かにする可能性もあります。
  • しかし、これまでの研究では、育児ストレスや仕事と家庭の葛藤、親の燃え尽きなど、働く親が抱える困難の軽減に重点が置かれ、育児と仕事の両立における肯定的な側面は十分に検討されていませんでした。また、親が育児に取り組む際の「活力」「熱意」「没頭」といった、前向きで充実した心理状態を測定する尺度も十分に整備されていませんでした。
  • そこで本研究では、仕事に対する前向きで充実した心理状態を表す「ワーク・エンゲイジメント」の概念を育児に拡張し、「育児エンゲイジメント」と定義しました。そして、これを測定する9項目の尺度を開発し、信頼性と妥当性を検証しました。
  • さらに、育児負担や育児の資源、レジリエンス(困難に対処する力)、ワーク・エンゲイジメント、幸福感や人生満足度などのウェルビーイングとの関連を、働く親の要求度―資源モデル(Working-Parent Demands–Resources: WPDR)に基づいて検討しました。




※本尺度は日本学術振興会科学研究費若手研究( 研究代表者 小林百雲子)の助成を受けて作成されました。